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既にある未来を実現するために、ミラツクはどんな組織になっていけばいいだろう? 【ミラツクフォーラム2017】

フォーラム

2017年12月23日に開催された毎年恒例の「ミラツク年次フォーラム」。

お昼に行われたランチセッションでは「ミラツクの未来を考える」をテーマに、「レノボ・ジャパン株式会社」の留目真伸さん、「株式会社日建設計」の塩浦政也さん、「READYFOR株式会社」の米良はるかさん、「一般社団法人re:terra」の渡邉さやかさんというミラツクの理事4名にお集まりいただき、ミラツクとの出会いや、これからのミラツクがあるべき姿について語り合いました。

モデレーターはミラツク・執行役員の宝槻圭美です。

この記事は、ミラツクが運営するメンバーシップ「ROOM」によって運営されています。http://room.emerging-future.org/

登壇者プロフィール

留目真伸さん
レノボ・ジャパン株式会社 代表取締役社長/NEC パーソナルコンピュータ株式会社 代表取締役 執行役員社長
1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。総合商社、コンサルティングなどを経て2006年「レノボ・ジャパン」に入社。常務執行役員として戦略・オペレーション・製品事業・営業部門統括を歴任。2011年から「NECパーソナルコンピュータ」の取締役を兼任し、NEC とのPC事業統合を成功に導く。2012年「Lenovo Group」米国本社戦略部門に全世界の企業統合の統括責任者として赴任。2013年4月よりレノボ・NEC両ブランドのコンシューマ事業を統括。2015年4月より現職。
塩浦政也さん
株式会社日建設計 NAD室長
早稲田大学理工学部大学院修了後、「株式会社日建設計」に入社。東京スカイツリータウンなどの設計業務に携わった後、2013年に「アクティビティ(=空間における人々の活動)が社会を切り拓く」というコンセプトを掲げた領域横断型デザインチーム「NAD」を立ち上げる。近作は羽田クロノゲート、仙川キユーポート、ポピンズナーサリースクール、東京インターナショナルスクール、ほか多数。http://www.nikken.jp/ja/nad/
米良はるかさん
READYFOR株式会社 代表取締役CEO
1987年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、スタンフォード大学へ留学。帰国後、2011年に日本初・国内最大のクラウドファンディングサービス「Readyfor」の立ち上げを行い、2014年より株式会社化、代表取締役CEOに就任。「World Economic Forumグローバルシェイパーズ2011」に選出され、日本人史上最年少で、スイスで行われた「ダボス会議」に参加。2016年にはテレビ東京「カンブリア宮殿」に女性最年少経営者として出演。「Forbes 30 Under 30」「St.Gallen Symposium Leaders of Tomorrow」など国内外の数々の受賞経歴を持ち、現在は首相官邸「人生100年時代構想会義」の議員や内閣官房「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進室」専門家を務める。
渡邉さやかさん
一般社団法人re:terra 代表理事
長野県出身。東京大学大学院修士。国際協力に関心を持ち、大学・大学院は国際関係論を専攻。ビジネスを通じた社会課題の解決の必要性を感じ、2007年に「IBMビジネスコンサルティングサービス(現IBM)」に入社。新規事業策定や業務改善などのプロジェクトに携わりながら、社内で環境や社会に関する(Green&Beyond)コミュニティリードを経験、プロボノ事業立ち上げにも参画。2011年6月退職。現在、「株式会社re:terra」代表取締役、その他女性支援やBoPビジネスに関わる組織の理事や、岩手県女性活躍推進委員。2017年4月より慶応大学SDM博士課程。

それぞれのミラツクとの出会い

宝槻このセッションはランチセッションなので、ゆったり食べながら進めたいと思います。今回は「ミラツクの未来を考える」というテーマで、理事4名の方とお話をしていきます。まずは自己紹介からお願いできますか。

塩浦さん私は「日建設計」で働いていて、2年ほど前にミラツクと出会いました。今とあるプロジェクトでご一緒させていただいて、ミラツクらしさを体感しているところです。私が所属する「NAD」は企業の課題解決のために建築に留まらない、さまざまな領域をデザインしていまして、ミラツクとは異なるワークショップを主体とした手法を採用しています。私たちはデザイナーなので、アイデアをまず出して正しさを後付けする、ある種直感主義的なやり方です。だからミラツクの手法がすごく勉強になっています。ミラツクは大事なコミュニティの一つです。

留目さん2年ほど前にイベントで西村さんにお会いして、去年のフォーラムにも出させてもらいました。通常イベント運営する側は、質の高いディスカッションをするために事前に綿密な打ち合わせを望む方が多いですが、ミラツクはまったく打ち合わせをしない。ゲストが「どうしたらいいんですか?」というところからスタートして、でもなんとなく良い雰囲気で終わるんですよね。そんなミラツクのやり方が理解できた今日この頃です。

「レノボ」は元々パソコンの会社なんですが、今はいろいろなテクノロジーを搭載したVRのヘッドセットやタブレット、スマートスピーカーにも製品が広がってきています。新しいテクノロジーは市場もないし、売り方もわからない。その中で社員と共に市場をつくっていくことが仕事になってきています。ミラツクの場をお借りしてディスカッションしながら、オープンイノベーションを生み出せる企業に変えていきたいと思っています。

米良さん「Readyfor」というクラウドファンディングサービスを運営している会社の米良といいます。西村さんと出会ったのは4〜5年前で、その後ミラツクの理事をさせてもらっています。私は、もともと対話の場に意味なんてないと思っていたんです。話すよりつくる方が大事だというのは今も変わらないんですけど、西村さんと初めて対話の場にいたとき、「次はこうしよう」と生まれたものがあって。西村さんがつくる空間によって、普段発言しないような言葉がいろいろな人たちから出てきて、そこからコラボレーションが生み出されることに、すごく感動したことがあります。

ミラツクのすごいところは、西村さんの持つ「人のキュレーション力」だと思います。地位や立場に関係なく、フラットな環境で話ができる空間づくりは貴重ですし、ミラツクを通じてできたネットワークで、私たちの会社もおもしろいことを実現できているなと実感しています。

渡邉さんミラツクと出会ったのは2011年頃です。当時「IBM」でコンサルタントをしていたんですけれど、震災後に東北沿岸部に行って事業を起こしたんですね。その頃、ちょうど西村さんが東北の起業家たちを集めて場づくりをしていたことをきっかけに、ミラツクとのご縁をいただきました。

私は1年の三分の二は海外にいるような生活をしていて、2014年からアジアの女性起業家ネットワークをつくっています。その関係でアジアへ行き、大企業やスタートアップや行政、NGOが連携してコラボレーションしていく可能性を見出し、海外進出のお手伝いもしています。

集まる人たちが少しずつ変わりながら、新しいものが生み出されていくミラツクの変化を見られるのは楽しいです。ミラツクで働くメンバーも増えて、働き方も多様になってきていておもしろいなと思いながら関わっています。

長い物語を紡ぐコミュニティであってほしい

宝槻今日は「ミラツクの未来を考える」ということで、ミラツクという組織がどうなっていったらいいのか、理事のみなさんからご意見をいただくつもりです。組織の拡大やステークホルダーを増やすことではなく、ミラツクが世の中に対してする必要のある仕事って何だろう、というのをお聞きしてもよいでしょうか。

塩浦さん「日建設計」は117年の歴史があるんですね。だから日本の20世紀をずっと見てきたようなところがあります。私はラッキーなことにスカイツリータウンの担当になったのですが、先輩の先輩から「もっと上の代の先輩が東京タワーを設計した実績があるから依頼された仕事。塩浦が選ばれたのはたまたまだから調子にのるなよ」と怒られたんですね。

私が西村さんにたまにお話ししているのは、何ができるかも大事だけど、長く続けることが大事ということです。極端にいうと1000年とか、2000年とか、有機的につながっていくことを前提としたチームであるべきかと思います。

先日イスラエルの若者と話をしていたら、こちらからの一つの質問に対して4時間喋るんです。なぜかを聞くと、長い歴史を一言で言えないからという話で。ミラツクって、長い物語を紡いでいくようなチームなのかなと思います。世の中で求められるものが出てきたときに、ミラツクというチームが何か貢献できるんじゃないかな。

留目さんミラツクはやっぱりコミュニティじゃないですか。今もそうかもしれませんが、家族や会社くらいしかほとんどの人はコミュニティを持っていない時代があったわけですよね。でもそれが変わろうとしている。働き方改革やオープンイノベーションと言われるようになったのには背景があるわけです。

一つの会社でつくった製品やサービスにはあまり価値がなくなり、テクノロジーを活かしながらつながって体験をつくっていくことに価値が見出されています。変化の激しい時代になり、事業の寿命が短くなる一方、人間の寿命はどんどん長くなり、未来のことを誰も教えられない世の中になってきています。だから社会の課題をどう解決していくのかを一人ひとりが考えて、携わっていく「社会人」になることが求められている。そのベースがミラツクだと思います。

近代化の流れで、会社組織は拡大され過ぎてしまいました。社内オフィスワークはソフトウェアやAIに置き換わり、オートメーションが進んでいます。人間の仕事が奪われるという見方もありますが、それは本来あるべき姿。人間は会社の外に出て、世の中の課題を理解し、それを解決する動きをみんなでやっていくべきだと思います。会社に所属するのではなく、社会に属する。個人が社会とつながるところで、ミラツクというコミュニティがあると思いますし、ミラツク自体が社会そのものかもしれない。

いろいろな考え方があっていい。課題の捉え方も感性も多様、何をどう解決したいかということも別々でいいと思います。でもその中で共鳴するものがあって、プロジェクトや会社として生まれるものもあるでしょう。そのプラットフォームがミラツクなんじゃないかと思います。

米良さん私は「Readyfor」を大学院1年生のときに立ち上げて、25歳で法人化しました。だから立ち止まることなく20代を生きてきて。先日30歳の誕生日を迎えて、20代の自分の生き方を振り返って、本当にがむしゃらにいろいろやったなと思って。

今までは優先順位も付けられず、競合がどんどん出てくる中「勝たなきゃいけない」という気持ちが強かったです。がむしゃらに「何でもやります」ということ自体は良かった。だけど30代をどう生きていくのか考えたときに、やっぱり解決したいと思う課題を設定して、そのためにうまく時間を使っていきたいと思いました。

そのためには、リーダーとして会社を引っ張るだけではなく、会社を客観的に動かす人間として距離を保ちながら向き合うことも必要だと感じていて。でも会社にずっといると、リーダーとして旗ふり役ばかりしてしまうんですよね。だからミラツクは会社や社会の中でたたかうリーダーたちの休憩所であってほしいです。

ゆるく喋る中で「そもそも自分たちがやっていることって何だっけ」と客観視して捉えることのできる場のつくり方が、ミラツクは完璧だと思います。社会の中で会社をどういうものにしていくか集中していくためにも、ミラツクは私の中で、絶対抜けてはいけないパーツです。

先ほど塩浦さんが「長く続けてほしい」とおっしゃっていましたが、ミラツクに来ると「君のやっていることはまだまだ小さくてね」と思わせてくれる、家のように休める場所でずっとあってほしいです。

渡邉さん米良さんのおっしゃること、その通りだなと思います。私は自分がやっている事業について「私がやらなかったら悪いことは起きないかもしれないけれど、良いことは何が起きるんだっけ」とか「そもそも私がやることで悪いことは起きていないんだろうか」とか常に考えています。というのも途上国に外から何か新しいものを持ち込もうとするとき、何か悪いことが起こるかもしれない可能性は十分にあるんです。そう考えると、大きな責任やプレッシャーを背負うリーダーのための休憩所は必要だと思います。

世の中は常に変化していて、チェンジは起こっているけれど、根底にあるトランジションはなかなか起こらないんですよね。自分の中では終わって、次のフェーズに行きたいと思っているのに、すぐには行けない。そこへ行くにはニュートラルゾーンというのがあって、まず休憩したり距離をとったりする必要があるんです。ニュートラルゾーンにいるときは、自分がどこに向かっていいかわからないからすごくつらいんだけど、つらいからこそ身を任せて自分を見つめられるという。

これを聞いて私ははじめ、一人でできるじゃんと思ったんですけど、本を読むと他者と対話しながら自分の内面に向き合ってトランジションを起こしていくと、次のフェーズにいけるという話もあって。私は今ニュートラルゾーンにいて、どこに向かうか悩んでいるんですが、ミラツクは事前にセッションの打ち合わせもしない一方で、「この場に来たら誰かしら助けてくれるかもしれない」「何か起きるかもしれない」という安心感もあるんですよね。

毎年12月23日に集まるってそういう意味もあると思いますし、毎年参加していると自分の変化も、ミラツクのコミュニティの変化も感じられるので、長く続くことも大事だなと思いながらここにいます。

ミラツクはどういう存在であればいいのか?

宝槻細く長く続けること、継続の場をもつこと。ニュートラルゾーンの話をお伺いして、改めて「ミラツクって何だろう」という問いが私の中に生まれました。ニュートラルである。多様性を受け入れる。ダイバーシティを受け入れる。”ダイバーシティ”と”受け入れる”ということは実は対になっている言葉で、ダイバーシティを許容するにはかなり努力がいるなと感じました。

細く長く多様性を受け入れながら一つの拠り所としてミラツクのコミュニティがあり続けるために、ミラツクはどういう存在であればいいのでしょうか。

「こういう社会を実現したいから私はこの活動をしているんだ」というところに伴走できるミラツクであることが目指す姿だとして、どういうパートナーがいたら良いとお考えか、お聞かせいただけたら嬉しいです。

塩浦さんミラツクって名前がいいですよね。未来をつくる、それを寸止めでミラツクってしているところにオーナーシップを持たざるを得ないというか。ということを第一印象から思っていて、ミラツクに関わるようになって思うのは、専門性の高い方々とハードル低く関われる希有なコミュニティだということです。

みなさん経験があると思いますが、ほんの少しでいいからサービスのプロにサービスについて聞きたいとか、ロジスティクスのアドバイスを欲しいとかいうときに、契約しないとアドバイスをもらえないことが多いですよね。でもミラツクのコミュニティはパートナーシップで結ばれているから、ふと相談してコンサルタント料を発生させずに良い話を聞けることもあります。

それから今日一番良かったのは、宝槻さんが赤ちゃんを抱いていらっしゃること。私たちがこのセッションを何のためにするかといったら、この赤ちゃんのため。ミラツクのコミュニティは常に未来のため、赤ちゃんのためにある。そのベースがある上で、コンサルタント料を発生させずに専門性の高い話を聞けるパートナーシップがあるところにミラツクの良さを感じます。このゆるさをキープしたまま、2000年くらい続いてもらいたいですね。

留目さん今46歳で、会社の雇われ経営者をしているのですが、長生きしてずっとやりたいかと聞かれると、そうじゃないと思うんですよね。どこかのタイミングで違うことに興味を持つだろうし、課題解決をすることになるはずです。そういう意味では、会社で仕事をしていると出会わないような人に会えたりですとか、今まで気付かなかった世の中の課題に気付いたり、ミラツクはそういうところに価値のあるコミュニティになるんじゃないかなと思います。

先ほど社会の課題をどう解決していくのかを一人ひとりが考えて、携わっていく「社会人」になろうというお話をしました。「会社人」になってしまうと偏った人間になってしまうので、「社会人」として生きていくためにはいろいろな人に会い、対話を通じて気付きを得て、そこから行動が変わってというようなサイクルが重要だと思うんですよね。

会社=自分ではないので「私は人間としてこう生きていきたい」「楽しくハッピーに暮らしていきたい」ということの方が大事。私が「社会人」として何らかの形の価値交換をしていける刺激をミラツクで得られたらいいと思います。

米良さんミラツクの最大の危機は、西村さんが死んだときじゃないかな。私は常々、西村さんの人のキュレーション力がすごいと思っているのですが、今回も改めて思いました。オープンイノベーションを起こすときに一番難しいのは、垣根を越えて人と人が信頼することだと考えています。

全然知らないコミュニティに自分の知見を出して、腹を割って話さないといけないってかなり難しいことだと思うんです。でも西村さんに紹介されると「西村さんが良いって言う人だから、良いんだろうな」と思って、すぐ信頼関係が結ばれるのがすごいですよね。だからこうしたセッションからもイノベーションが生まれている。

でもそれは西村さんのキュレーション力に100%頼っている状態なので、あのゆるい見た目とかゆるい喋り方とか、男なのか女なのかわからないアンニュイさも含めてどうやって残すかは課題だと思います。西村さんは30代後半だと思うので、あと70年ほどの寿命があるうちに、ドラえもんみたいな存在をつくるのが大事なんじゃないかな。

会社経営者は、自分の会社というコミュニティで結果を出さなきゃいけない責任があるので、そこをうまくつなげていける西村さんのような人がイノベーションのためには大事で、ミラツクが長く続くために欠かせないことだと思いました。

渡邉さん米良さんが言う西村さんのキュレーション力がすごいのは、質問力や人の配置力かなと思っていて。メンバーも増えて、チームとして強くなったのは西村さんもおっしゃっているし、私もそのことを実感しています。この中にもミラツクのインタビューを受けたことのある人はたくさんいると思います。

そこで何をしているかというと、今まで自分のフレームワークでは気づかなかったことに、ミラツクメンバーを通じて気付くきっかけをもらっている。ミラツクのメンバーは、いろんな人にさらっと質問して答えてもらったことを集めて、「実は世の中にあるけど皆さん気付いていない。だけど未来をつくるためには必要なことなんですよ」ということを、言わずに気付かせてくれます。そこがミラツクのすごいところだと思います。

先ほど話に出たチェンジだと自分は変わらない。トランジションを起こすためには、世の中にあるヒントをたくさん集める必要があって、そのヒントの集合体を見たときに、クライアントさんやパートナーさんが新しい変化に気付いたりする。その気付きの後、それぞれが「何をするか」考えた時に、専門家や多様な人が集まっているミラツクの価値に気がつくのだろうと思います。

インタビューする人を見つけてくることも含め、気付くきっかけを拾い集めるキュレーション力が、ミラツクの強みだし、存在する意味なんじゃないでしょうか。

これからの働き方・コミュニティづくりを共に考えよう

宝槻私から一つ留目さんにお伺いしたいことがあります。ミラツクは西村を中心にメンバーがいる組織なんですが、働き方は多様で、京都にあるオフィスにも誰も行ってないのではという感じで。

京都より関東に住んでいるスタッフの方が多いですし、事務局が愛媛に移っている状況です。自分で組織を持ってミラツクに関わっている人もいれば、フルタイム職員もいる、学生メンバーもいる、と本当に多種多様なメンバーでミラツクを支えています。こうした働き方の意味や価値を今後社会に対して提示していきたいですし、ミラツクもより多様な組織になっていきたいと考えています。

今採用しているのは、京都や東京が中心なのですが、「私は北海道に住んでいて北海道で仕事をしたいからミラツクのスタッフになりたい」という採用の仕方もあっていいのではと思います。ワークスタイルのプロセスも多様化させていきたい。なのでミラツクの多様性を一歩先に進めるワークスタイルについてお考えがあれば、ぜひお聞かせください。

留目さんレノボも働き方改革に力を入れています。2年前からリモートワークを推奨して「会社に来ないでください」と言っているのに、みなさん会社に来たがるんです。そういう現状なのですが、近い将来、全ての会社がそういう働き方になっていくんじゃないかと思います。

企業がなくなることはないと思いますが、価値のつくり方は共創ベースになってくると思います。いろいろな企業が提供するツールやサービスを、課題解決のためにまとめあげていく。課題の大小は問わず多様でいいと思いますが、その課題解決にツールとして使ってもらえる企業にならないといけません。

私たちが提供しているのはパーツ。だから課題解決をする主体といかに多くつながって、価値を高めていくかが大切になるのじゃないかなと思うんですよね。だから企業側も、社員に外に出ていってさまざまなコミュニティに参加し、課題に敏感になってほしいはず。その企業が一つ一つの課題へのタッチポイントが増えていくことだから。

もちろん研究開発や工場管理、経営を担う人たちの中には、外に出にくい人もいると思いますが、ほとんどの社員は外に出れます。社員に共創のプロジェクトに参加して感性を磨き、課題へのタッチポイントを広げてもらうことが企業にとって必要です。

だからミラツクの新しい働き方はとても魅力的ですし、逆に私も教えてもらいたいくらいです。一緒に新しい働き方、新しいコミュニティ、新しい価値のつくり方を学んでいけたらいいかなと思います。

宝槻そろそろお時間です。みなさんがおっしゃってくれた肩書を越えた信頼というのが実現する年に一度の時間。毎年12月23日がそれを一番体現している日だと思います。午後からも楽しんでいってください。ありがとうございました。

この記事は、ミラツクが運営するメンバーシップ「ROOM」によって運営されています。http://room.emerging-future.org/

次回ミラツクフォーラムに参加を希望される方は、ミラツクが運営するメンバーシップ「ROOM」にご参加ください。ミラツクフォーラムは、メンバー向けの招待制の会として開催されます。
ROOMの登録:http://room.emerging-future.org/
ROOMの背景:https://note.com/miratuku/n/nd430ea674a7f
NPO法人ミラツク では、2016~2019の4年間でミラツク年次フォーラムにおいて行われた33のセッションの記事を分析し、783要素、小項目441、中項目172、大項目46に構造化しました。詳しくは「こちら」をご覧ください。
北川由依 フリーライター
京都で暮らすフリーランスのライター。中小企業やNPOの広報・PR支援をしています。関心の高いテーマは、「食」「ものづくり」「人や組織の関係性」など。人や企業、地域のコミュニケーション領域で活動中。つくる人と食べる人。過去と現在。海と山。言葉を通じて、あちら側とこちら側をつなげたらいいな。