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感じる力と女性の力が「働き方の未来とオープンイノベーション」の鍵になる。[ミラツクフォーラム2017夏]

フォーラム

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NPO法人ミラツクでは、完全招待制で行う「ミラツクフォーラム」を定期的に開催しています。毎回、ひとつのテーマについて異なるフィールドで活躍する方々をゲストに迎え、ディスカッション。対話を重ねながら新たな知見を生みだしています。

2017年7月1日の「ミラツクフォーラム 京都夏の回」では2つのセッションを開催。前半は、「働き方の未来とオープンイノベーション」をテーマに、3名のゲストが登壇してパネルディスカッションを行いました。イノベーションを生むために必要な条件、あるいは人がイノベーティブな状態でいられる状況とは? 

(photo by 望月小夜加

この記事は、ミラツクが運営するメンバーシップ「ROOM」によって取材・制作されています。http://room.emerging-future.org/

登壇者プロフィール
牛尾隆一さん 株式会社村田製作所 新規事業推進部
1991年、三菱化学株式会社入社、ハードディスクメディアの開発から量産までを担当する。2001年に株式会社村田製作所入社、積層セラミックコンデンサの商品開発を担当した後、2008年立命館大学にてテクノロジーマネメント(MOT)修士を取得、技術企画部マネージャーとして全社技術戦略立案を担当。2012年より、全社のオープンイノベーション推進を担当し、2015年野洲事業所内にオープンイノベーションセンターを設立。
和田康彦さん 株式会社千趣会 前ベルメゾン生活スタイル研究所 研究員
関西大学社会学部卒業後、広告制作会社を経て、株式会社千趣会に入社。ベルメゾンカタログの媒体プランナーとして、数々のファッション系カタログの立ち上げやベルメゾンのブランディングを担当。2004年5月、ベルメゾン生活スタイル研究所の開設に伴い、女性のライフスタイルや意識・価値観の調査・研究に従事。2011年~2014年同研究所所長。最近では「ウーマノベーション、5つの女子力が日本を変える」「暮らしを変える、サードウェーブ」等のレポート誌をプロデュース。「女性たちから未来は生まれる」を合言葉に、女性の消費や生活スタイルの動向を社内外に発信している。
加藤尚子 NPO法人ミラツク 研究員
同志社女子大学現代社会学部卒業。公立小学校にて特別支援学級・通常学級の担任を経て2015年5月より現職。身体表現やメディアを活用したインタラクティブな学習プロセスを模索するとともに、大学などを中心に授業づくりに取り組む。2015年よりミラツクに研究員として参画。社会課題を基盤とした創造的なプラットフォーム構築プロジェクトの運営に携わる他、インタビュー、フィールドワークなどエスノグラフィーのリサーチ手法を用い、イノベーションプラットフォーム構築のための調査、分析、コンセプト設計に取り組む。

働き方が変わればオープンイノベーションにつながる

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西村今回のセッションのテーマは「働き方の未来とオープンイノベーション」。

「働き方」と「イノベーション」は、コインの裏表のような関係にあると考えています。オープンイノベーションをしたいのであれば働き方も変わらないといけないし、働き方が変われば自ずとオープンイノベーションに繋がると思うんですね。今回は3人のゲストに声をかけさせていただきました。まずは、ゲストのみなさんに、おひとりずつ自己紹介替わりにご自身のされていることをお話いただきたいと思います。

企業のオープンイノベーションには“拠点”と“入り口”が必要

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牛尾今、オープンイノベーションはある種の流行になっていて、今まで取り組んでいなかった大企業もオープンイノベーション推進室の様な組織をつくり始めています。そして、「あなた、明日からやってね」とポンと部長さんが呼ばれる……というようなことが多いんです。

私の場合は、実は自分で「オープンイノベーション推進をやらせてほしい」と言い出しました。もともと技術者で商品開発をしていたのですが、2006〜2008年に立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科(MOT)の社会人クラスで学んだことが転機になりました。

当時、企業のなかだけで新しいことを生み出すのは非常に難しいと感じてMOTに行ったら、そこにパナソニックやNEC、シャープといった大企業の社員もいたんです。彼らとともに学んでいくなかで、「世の中では明らかに社内の議論とは違うことが起きている」と身を以て体験しました。そこで社内でも新しいことを生み出す新たなしくみを立ち上げたいと考えはじめ、いろんな企画をつくっては上に提案しましたが、当時の上司には「そもそも、あなたの言っていることは理解できません」と言われました(笑)。

そんなやりとりが1〜2年くらいあって悩んでいた時に社内の流れが変わって「オープンイノベーションのような取り組みも少しは取り入れてやってみよう」ということになっていきました。

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そこから組織体制や人が変わり、大きく話が展開していき、2015年、野洲事業所内に「オープンイノベーションセンター」が設立できました。

「オープンイノベーションセンター」は、社外から人を呼んで新しいものを生み出す活動をするための場所。ただし、ビジネスパートナーを対象にした招待制の施設ですので、つい最近までWebサイトにも載せていませんでした。製品ではなく、展示会で発表したものや開発中の試作品などのデモを行い、実際にモノを触ってもらいながら、お客さんになるような人たちの声を担当者が聞くというやりとりをメインに行っています。

ただ、野洲は都心から離れていますので、「この人を呼べば必ずハマる」と確信できる人じゃないとなかなか呼べないんです。社外で、もっと軽く混じり合うしくみの必要性を感じたので、2016年4月に大阪・堺筋本町に出来たコワーキングスペース「THE DECK」の企業会員になりました。

「THE DECK」のひとつの目的は、パナソニックやインテルなどの大企業を集めること。各社にはオープンイノベーション拠点がありますが、いきなりそこに行くと「やることを見つけなあかん」という責任感の会議になってしまいがちです。そうではなく、まずは各社からオープンイノベーションの担い手が集まり、自由にゆるくつながるなかで「この組み合わせは事業になるね」という姿が見えたら、本格的に秘密保持契約を結んで踏み込んだ議論をするというステップで進めたいんです。

今はもう、企業や大学、行政も含めてのエコシステムをつくっていく「オープンイノベーション2.0」の時代に向かっているという議論もあります。私も、そこに近づくイメージを持っていて、自社の持っている技術やアイデアを活かすために、社外のスペースで出会う人たちとゆるいつながりをつくりながら、2〜3年をかけて次のステップにいきたいと考えています。

自信を持ちはじめた日本の女性が新しい未来をつくる

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和田私は、大学を卒業してから広告制作会社でコピーライターと販促プランナーの仕事をしていました。1984年に千趣会に転職。当時の千趣会はカタログビジネスを始めて数年が経った頃で、まさにベンチャービジネスに飛び込んだみたいな感じでした。それから「ベルメゾン」のファッション系カタログを中心に7媒体を立ち上げて。30代の頃は、毎日毎日商品や編集と格闘する日々を送っていました。

2004年には、女性のライフスタイルを研究する「ベルメゾン生活スタイル研究所」の立ち上げに携わったことがきっかけで、十数年に渡って女性のライフスタイルを中心に研究してきました。「ベルメゾン生活スタイル研究所」では、女性を対象とした調査や研究を元に「しあわせ予報」を毎年発表しているのですが、今日は2015年に発刊したしあわせ予報「女性たちから未来は生まれる〜『ウーマノベーション』日本を変える、5つの女子力」を元にお話したいと思います。

001ベルメゾン生活スタイル研究所「しあわせ予報2015」。Webサイトにて閲覧可能

2013年、安倍内閣は働く女性の活動推進に焦点を当て、「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする目標(平成22年閣議決定)」を掲げました。僕としては、この30%という数値目標にすごく疑問を感じまして。たとえば、女性の流行語60年史を見ても、女性が流行やライフスタイルをリードしてきた歴史が読み取れます。ですから、“指導的立場”だけではない、もっと大事なことがあるだろうというのが研究を始めた発端です。

「ベルメゾン生活スタイル研究所」では、2004年に「働く女性白書 2004」を出していまして、2014年に「この10年間で女性の気持ちがどのくらい変わったのか」を調査しました。たとえば、「男性と同等もしくはそれ以上に仕事をしている」という女性は10年前に比べると倍増。「職場に女性が進出する余地は?」を問う質問に「まだまだある」と答えた女性は49.7%から65.9%に、「出産後の仕事を続けたい」という女性も43.6%から64.7%と大幅に増えました。

“女性の今の気持ち”を聞くと、「出世よりもスキル」「管理職を引き受ける女性は4人に1人」という結果が出ました。これを見ると、「指導的な地位に女性が占める割合を30%に」という目標が絵空事に思われてきます。

また、会社への愛着や社会貢献意識に関する男女の意識の違いを探ると、男性よりも女性のほうが社会貢献意識や利他志向は圧倒的に高く、女性の方がより広い視野でこれからの時代を見ていることもわかりました。つまり、この調査を通して、女性たちはこれから自分たちが活躍していくことを自覚し、10年前に比べて非常に自信を持っていることが明確になったわけです。

女性たちが自身の強みや特性として感じているのは、生活目線、消費者目線、気配り、思いやり、細やかな感性、マルチタスク力、変化への柔軟な対応力、コミュニケーション力、旺盛な好奇心力、など。ここから見えてきた女性本来の力、その多様性がこれからのマーケティング、イノベーションの原動力になるのではないかと考えて、我々は「日本を変える、5つの女子力」を定義しました。

002「日本を変える、5つの女子力」ベルメゾン生活スタイル研究所「しあわせ予報2015」より

まず一番目は「おもてなしの力」です。日本女性特有の気配りや優しさが感動のサービスを生み出す源流になるという観点です。

2番目の力として「ありのままの力」を挙げました。つまり女性たちの素直な感性や生活実感がヒット商品を生み出すヒントになるという仮説です。そして3番目が「はぐくむ力」です。女性にしかない母性や包容力、子育て経験が人を育て働きやすい職場を生み出すという力です。

4番目は「巻き込む力」。女性が得意な共感型コミュニケーション力がこれからのプロジェクトを成功に導くキーになるという考え方です。そして最後が「好きになる力」損得や善悪だけで判断するのではなく、女性たちの好奇心や行動力が新天地を開いていくという仮説です。

さらに、「5つの女子力」をテーマに、いろんな企業や女性達にインタビューもしました。そこで改めて感じたのは、管理職や指導的な立場ではなくても新しい価値を生み出している女性はたくさんいるということです。

たとえば、佐川急便で働く“佐川女子”は、男性中心の運輸業をおもてなしの心によるサービス業へと転換しようとしています。あるいは、大和ハウスには“建設小町”といわれる女性の現場監督が、きめ細やかな現場づくりに成功しています。サイバーエージェントでは、藤田社長自らが「女性が女性らしさを捨てることなく、才能を生かして働ける環境」を推進。ママになっても長く働ける制度をつくっています。

確実に女性たちが今の世の中を変えつつあることが見えてくる一方で、女性活躍に向けて課題もまた見えてきました。ひとつはワークライフバランスの問題です。男性にはわかりにくいことだと思うんですけども、仕事と家事、私生活の充実との両立、あるいはバランスをどう取るかということ。身近なロールモデルがまだまだ存在しないということも、女性の活躍が広がることを阻害しています。

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それから、男性の意識改革も大きな課題です。今だに「夫は外で働き妻は家庭を守るべきだ」という考える男性が3人に1人、「夫は家庭よりもまず仕事を優先すべき」という女性も43%もいてびっくりしました。男性と女性の意識や価値観のギャップを見ると、男性はあまり女性の活躍を期待してないんじゃないか……ということも見えてきました。

育児休業、時短勤務など、制度改革による働きやすい環境づくりは徐々に進んでいますけれども、これから女性本来の力を生かしてイノベーションを生み出すには、やはり女性の多様性を認め、女性の力をリスペクトしあえる企業風土を情勢していくことが非常に重要だと思います。

そのためには、企業トップの考え方、本音を語り合える職場環境や潜在能力を開発する人材育成、男性の意識改革、一人ひとりの専門性、ワークライフバランスの実現、多様な働き方モデルの実現等々、一つひとつの企業が取り組むべき課題がたくさんあります。これらの課題を一つずつ解決しながら変えていくことが、企業のイノベーションにも大きくつながっていくのではないかと思います。

“ミラツク内イノベーター”が語る「自由な働き方の良いところ/つらいところ」

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加藤私は、平成元年生まれの28歳です。京都府京都市に生まれ育ち、同志社女子大学現代社会学部現代こども学科で学びました。こども学科は、「子どもを通して現代社会を見る」という学科。「こどもって本来どういうものなのか?」を根源的に学ぶ4年間でした。

卒業後は3年間教員をしました。初任は特別支援学級で障がいがある子たちの少人数クラス、3年目は通常学級で低学年を受け持ち、2015年からミラツクで研究員をしています。

ミラツクに転職したとき、周りの人たちからは「学校の先生は安定しているから、そのまま結婚するまで働いていたらいいやん」「ものずきやな」と言われました。それでも私が教員を辞める決断に至ったのは、20代前半で経験した二回の“人生のお休み”が大きく影響しています。

一回目は、大学3回生で甲状腺がんの手術をしたときです。学校を休んで、無事にガンを取ることができました。今は術後5年目。再発していないし、とりあえずぴんぴんしています。ただ、ちょうど進路を考える時期で、就活や教員採用のペースに乗れませんでした。

入院していたとき、私はガン患者だったけれど心はすごく元気だったんです。いろんな人に支えられて、毎日身体も元気になっていくのがすごい幸せだったんですね。人生の進路を決めるときに、人とはちょっと違う経験をしていることは大きいと思います。

二回目は教員3年目でした。1〜2年目は特別支援学級で一人の子の担任をしました。術後であることを配慮されたのだと思うのですが、新卒採用担当の方も「この仕事をしていて見たことがないケースです」と言われたほど、非常にレアな人員配置でした。

特別支援学級はいろんな課題が複雑に絡み合うクラスですので、通常はいろんな経験をしてきた先生が対応します。それを、新卒の私が担任することの意味を、自分自身でもよく考えていませんでした。しかも、クラスに一人しか生徒がいないので、起きる全ては教師である私のせい。だんだん、自分を追い詰めるクセがついてしまい、誰かを頼ることができなくなっていってしまいました。

「全部自分のせいだ」と考えるようになったのは、人員配置の問題だけではなく、今の学校教育や、世の中の課題もからみあっているのかもしれません。「いったい、真ん中にある問題の本質はなんだろう?」と考え、大学時代にお世話になった先生方やゼミを通して知りあった仲間に相談する日々が1年ほど続きました。

そんな時、大学時代の恩師を通して出会った友人に「ミラツクで働いたらどう?」と教えてもらって。「世の中を変えたい」という高い志を持ってとかでは全くなく、「生き残るため」に流れついた、という感じでミラツクに入りました。

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ワークスタイルの話に移ります。ミラツクでの職務は大きくふたつで、「プロジェクト運営(リサーチ)」と「コミュニティ運営」。ほかには、「自主テーマのプロジェクト」に勤務時間の20〜30%を使用できることが、ミラツクのユニークなところです。

リサーチでは、イノベーターの人たちに実際に会いに行き、形式知ではなくフィールドワークを通して暗黙知を探るような仕事をしています。得られた知識や情報は分類してまとめ、カード化してワークショップで使ったり、マップ化して企業に提供したり。全国を飛び回るので、月の交通費は少なくとも10万円、高い時は20万円くらいにもなります。

ミラツクの職場ルールは大きく三つあります。特徴的なのは、特定の勤務地はなく、合宿と月1回のミーティングに参加するということ。オフィスはあるので、使いたいときは使えます。休日の管理も、基本的には個人に任されています。たとえば、データ分析をするときは1週間くらい集中して取り組むので、翌週は4日間くらいゆっくりカフェで過ごそうといった調整ができます。あとは、地方出張が月1〜2回必要です。

自分で勤務場所も時間を決めて働けるのはすごく良いことだなと毎日実感しています。

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この働き方は、同世代の友人には「いいな」と言われます。特に女の子は、いろんな体調の変化があるから、朝起きる時間・夜寝る時間を決められることをうらやましがられます。男の子からは「誰にも邪魔されないから、仕事がはかどっていいなあ」と言われます。満員電車に揺られなくてすむのいいですね。

逆に、「毎日家で仕事をしていて寂しそう」、「困ったら誰に相談するの?」など、「大変そうだね」と言われることもあります。たしかに、すぐに相談できなくてつらいなぁと思うことはあります。

ミラツクに入社してから3回目の「人生のお休み」をしました。このお休みは、私のなかではすごく大きな転機になりました。休まざるを得ない状況があったから休んだ「お休み1」「お休み2」とは違い、「お休み3」は半年以上前から自分で計画していたものだったんです。

実は、友人2人と一緒に、教育に興味を持つ大学生たちと世界のいろんな教育現場を視察する「グローバル・ティーチャーズカレッジ」というプログラムを企画しました。国際NGOのピースボートに乗って、13名の参加者とともにすごく濃厚な時間を過ごせました。

最近、よく考えるのは移動することの意味の大きさです。ある地点からある地点まで移動しながら、現場やいろんな人の考えを知ることを積み重ねていくと、その分野の全体像が見えてくるんですね。その経験がさらに積み重なると、自分のなかに集合知ができてきて、何かを予見・予測することにもつながりますし、自分のアイデアや行動にも影響します。

また、移動することは学びほぐし(アンラーニング)にもなっていると思います。学習環境デザインを学んできたけれど、教員の仕事をするなかでは自分自身の学びほぐしは全然できていませんでした。ピースボートに乗って、みんなでいろんな国を巡りながら、この2年間に得たものを振り返りアンラーニングも出来たと思います。

イノベーションには「オープン」と「クローズド」の使い分けが必要?

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西村それでは、ここからはディスカッションで、3人それぞれにお話を聞いていこうと思います。まず、話をオープンイノベーションに戻します。

牛尾さんが紹介された、村田製作所のオープンイノベーションセンターはすごく変わっていると思うんです。一般的なオープンイノベーションセンターは、間口を広くしていろんな人に来てもらおうとしますが、村田製作所の場合は真逆です。まずどこにあるのかわからないし、野洲の駅からも遠く、ウェブサイトでも見つけにくい。「なるべく来ないでください」というオープンイノベーションセンターが開かれていることが面白くて。実際に、誰にでもウェルカムに開いていればいいという話ではないと思うのです。

牛尾さんは、オープンイノベーションを進めていく鍵となるのは、どういうことだと考えておられるのでしょうか。

牛尾最初に言うと、答えを持っているわけではないんです。みんながオープンイノベーションと言い出して、何かをやり始めていますが「このやり方で何ができるのか」をわかっている人はいません。だからこそ、やる価値があると思ってやっているのですけれども。

さきほどの、「オープンにするか、クローズドにするか」という話ですが、何もないところで、いきなりみんなで革新的なものを出し合うのは無理だと思うんです。大企業の人は特に「この話をしたら機密事項に触れるんじゃないか」と考えてしまうので、お互いにバリアを外して話せる場の設定も必要だと思っていて。自社のオープンイノベーションセンターについては、あえてクローズにして「徹底的に踏み込んで2社で何か新しいことを生み出しましょう」という場としてやっています。

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ですから、割と早い段階で「ここからはNDA(秘密保持契約)を結びましょう」という線を必ず引きます。そこから先は、メンバーを決めてワークショップスタイルで月1〜2回、期間としては半年や1年は徹底的にやります。クローズドにしないと、本気で革新的なことを出し合えないので。ただ、本格的な契約ありきで、こうした関係を結び合える相手を見つけるのは非常に難しいです。

こうしたパートナーは、ゆるいつながりのなかで見つけて、そのたまたまの出会いに面白いことがあって「じゃあやりましょう」とならないといけないと思っています。そういうことができる場も、会社の外側で動き始めているので、今年はうちの社員を外に引っ張り出そうと思っています。

西村オープンな場で活躍するのはどういう人ですか? また、外に連れ出すときに「この人ならいける」と思うのは、どんな人ですか?

牛尾村田製作所は、真面目な社員が多い会社なのでなかなか難しいんです。ただ、何人か試験的に連れ出してみたら、「世の中はこうなっているのか」と気づいて、自分から外に出て行くようになっていく人もいました。確率的には高くはないですが、予想に反して変わっていく人が多い気がします。ただ、無理矢理引っ張り出すことはしないです。「ちょっと自信ないけど行ってみたいです」とか、「新しい企画を出せと言われるけれどネタがないから困っています」とか、そういう人が外に出て行く入り口の部分だけ、私は関わっている感じですね。

自分らしく生きる「ライクスタイル」の時代が来る

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西村加藤さんに聞きたいのですが、ミラツクで3年間くらい見ていますが、最近仕事もプライベートもいい感じですよね。この3年間で、いい感じに切り替わる瞬間が1〜2回あったと思うんだけど、そのきっかけになった出来事はあったんですか?

加藤一つはミラツクフォーラムです。ミラツクに入社して1年目は、上司である西村さんに求められることを自分で察知しなければと思って接していました。だから、質問も怖くてできなかったし、西村さんの考えを深く理解するには至っていなかったんです。でも、フォーラムで繰り広げられるディスカッションを聞くうちに、登壇者のみなさんに共感したり、それぞれの場が面白いと思えて。ミラツクがつくる場は自分の興味の真ん中なんだとわかったとき、私が西村さんを信頼していなかったことにやっと気がつきました。

もう一つは、ミラツクに関わるみなさんが私を「できる/できない」ではなく、人として見ているんだなとわかったこと。私は、甲状腺ホルモンの影響もあり、体調の変化が大きいんですね。一度、ミラツク主催で100人規模の場を開く日の、すごくしんどくなったときがあって。朝6時頃に「後ろで見ていていいですか?」と西村さんにメッセージしたら、「それは、人と話すのがしんどいということだよね」「後ろで作業していてもいいよ」「楽になってきたらお昼ごろからおいでよ」と、すぐにポンポン返事があったのがすごくうれしくて。ミラツクには、こういう会話をたくさんできる土壌があるので、自分でいていいんだなと思えたのだと思います。

西村和田さんにお聞きしたいのですが、さきほどの調査結果のなかにも「自分らしく」であるとか、女性は自分の興味に沿っていく傾向があるのかなと思っていて。そのあたりと、女性のライフスタイル、価値観の変遷との噛み合わせについてお伺いしたいです。

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和田僕は、これからはライフスタイルではなく“ライクスタイル”“の時代になっていくのではないかと思っているんですね。人間が行動する基軸は、損得、善悪、好き嫌いの三つなのだそうです。今までの社会では、会社の利益、コンプライアンスなどが基軸になりましたが、最近は好き嫌いというか「私はこうありたい」ということが基軸になってきているような気がするんです。「Instagram」なんかいい例ですよね。自分の好きなものをどんどん上げていって、「いいね」という共感の輪が広がっていきます。

好き嫌いを別の言葉で言うと、僕は「感じる」ことだと思っていて。購買行動においても、論理的な思考をもとにスペックで物を買う男性とは違って、右脳が発達している女性は商品を手に入れたときの使用価値やイメージを重視して買うと言われています。一般論ではありますが、僕は一理あると思うんです。

そういう意味でも、これからは「好き」や「夢中になれること」への追求が大きなイノベーションを起こす時代が来るんじゃないかという気がします。好きなことをどんどん伸ばしていける世の中になれば、日本はもっと変わる可能性があるのではないでしょうか。

西村「好き」という感性を伸ばすには、まずは何が好きかわからないと「好き嫌い」を判断できないと思うんです。これまで、ベルメゾンではどういう風に「こういうものが好きじゃないですか?」という提案をしてこられたのか伺ってみたいです。

和田ベルメゾンが得意としてきたのは「テイストマーケティング」という手法です。高度経済成長期から“成熟した時代”に入るまでは、女性の好きなテイストは「エレガンス」「フェミニン」「スポーティ」「トラディショナル」などに割合はっきり分かれていたんです。たとえば100ページのカタログをつくるときに、10のテイストに分けて品揃えをすれば、大抵の女性の好みを網羅できたんですね。各テイストの売上を比較して、次の号では支持率の高いテイストを増やしていく。そういう繰り返しのなかで女性の好みを見ていきました。

もう一つは、僕自身が女性を見るのが大好きで、昔は原宿の喫茶店で一日中おしゃれでかっこいい女性たちを見ていました。かっこいい女性をたくさん見ていくとトレンドの移り変わりがはっきりわかってくるんです。靴のヒールの高さが変わったり、スカーフの着用率が増えてきたり、そういう傾向を次の企画に活かすとけっこう当たるんですね。

片方で、テイストマーケティングのように理論的なことをやりながら、もう一方で「感じる」という行いをすることによって、いろんな時代の流れを掴んでこれたのだと思います。

イノベーションを下支えする「好き/嫌い」の感覚

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西村昔は、テイストがもう少しわかりやすかったとおっしゃいましたが、今はどういう感じなのでしょう?

和田昔のファッションは、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークという4大コレクションの情報がすべてでした。あるいは、パリで開かれる生地の展示会や世界の流行色を決める流行色協会が全体のトレンドを決めていました。ところが今は、上意下達みたいなやり方が全然通用しなくて、手が届きそうな憧れの方たちの情報が時代を支配する感じだと思うんです。みなさん自身が「ZOZOTOWN」のコーディネートアプリ「WEAR」を入れて情報を得たり、あるいは「Instagram」で流行を検索したりするわけですよね。

今は、「みんな一緒」ではなく「みんなそれぞれ」の時代になってきているというか。自分らしさ、自分の価値観を大事にするという流れのなかで、情報の発信源も大きく変わってきているのだと思います。

西村加藤さんに伺いたいのですが、いろんな人に会うなかで、和田さんのお話にあったような「好きか嫌いか」、つまり自分に合う人、好きな人が見えてきていますか?

加藤事業内容が自分自身の暮らしにもつながっている女性事業家を見ると、真似したくなりますし、個人的な興味も湧きます。たとえば、「発酵食堂カモシカ」の関恵さんは、ご自身が出産されるときに子どもたちの未来と食べものを考え、自然と発酵食を選択されています。そういう人を見ると腹落ちする感じがあります。

西村牛尾さんはいかがでしょうか。牛尾さんは、かなり好き嫌いで動いている人だと思っていて、好き嫌いとイノベーションの話を聞いてみたいです。

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牛尾和田さんがおっしゃったように、大量生産したものを大量に消費してもらうマーケティングが通用する分野において、もう日本企業は勝負できなくなっていて、全部中国等に持っていかれる時代です。この20年間の圧倒的な変化は、個人が世界中から簡単に情報を得られる世の中になったからこそ起きたんですよね。今は、ものすごい変化のピークに来ているので、私はこれを面白い、チャンスだと捉えなければいけないと思っています。

日本の大企業の数は、この先50年ぐらいでかなり減るのではないかと予想しています。そのとき、個人が飛び出してスモールビジネスを起こすことが当たり前になっていないと、日本はしんどいと思うんです。コンシューマー向けの事業をほぼやっていない村田製作所では、BtoBビジネスの新規事業を個人で起業するやり方はありえるのか、模索しているところもあります。危機感のある若い人たちを外に引っ張り出すことの根底には、そういう感覚がある気がしています。

西村牛尾さんは、企業のなかに個人として始められる事業がたくさんあると多様性も生まれるし、場合によっては企業が小さくなってもいいと思っている。だからと言って「スモールビジネスをしなさい」と誰かに言われて始められるわけではないですよね。加藤さんは、「発酵食堂カモシカ」の関さんを見て、どんなところを「いいな」と思っているのか、もう少し詳しく聞いてみたいです。

加藤自分の人生に起きたことをそのまま体現しているということでしょうか。自分が体験した困りごと、自分がこう生きていきたいと望むこと。会社のミッションとつながっていたら事業になるし、関係なければ外で立ち上げることになるケースもあると思います。

やりたいことが見つかったときに、サッと動き出す人とモヤモヤした状態で立ち止まる人がいるのですが、その違いは個人のメンタリティや子どもの頃の経験に結びつくように感じています。もう一つ、ヒアリングをしていて思うのは、環境要因も大きいということ。たとえば、「起業家の多い地域の人と結婚したから自分もできるようになった」とか、女性が外で活躍するロールモデルの存在する企業であるとかですね。

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西村加藤さんの言う「自分の人生で起きたことをそのまま体現する」というのは面白い生き方だなと思います。今の企業のなかで、自分の人生から事業を起すという考え方はなかなかありませんよね。どちらかというと、自社のリソースや得意な領域から考えはじめて、そこに自分の好きなことをちょこっと掛け合わるみたいな感じがすごく多いと思います。

でも、もしも会社のなかでも「自分の人生で起きたことから事業を始めていい」ということになったら面白いと思うし、そもそもこの括りがすごく女性っぽいと思うんです。

牛尾ベンチャーする人って、本当にやりたいことをやっているんですよね。それがないと、事業って起こらないんです。彼らのような強い思いがあれば、実現できるノウハウもリソースもあるのに、なんで動かないの?という人が大企業には埋もれているんですよ。

だから私は、大企業の人たちこそ外に出て行って、自分がやりたいことを見つけるべきだと思っています。人から持って来られたネタは、自分のやりたいことではないですから。私は、「今やっていることをやめてでも、自分はこれをやりたいです」と言う人を一人でも出したいと思って、社内の人を外に連れ出しているんです。

自由な移動はイノベーションを可能にするかもしれない

西村イノベーターを支援する方法を考えてほしいと言われたときに、加藤さんの話にあった移動もすごく大事だと思うんです。新幹線を乗り放題にしてあげれば、自動的にイノベーションは起きる。日本に比べて、アジアの交通費は非常に安いので、イノベーションが起きやすいですよね。

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牛尾たしかに、好きなように移動できる、自由に会社を出られる立場にいることは絶対に大きいですね。実際に今の私の働き方としては、かなりの頻度で社外を飛び回っています。ただ、大企業のなかでこういう働き方をするのはものすごい覚悟が必要ですし、普通の人だったら耐えきれないプレッシャーがあると思います。こんなことしていて、結果を出せなかったら真っ先に叩き潰されますから。

西村うーん、毎日出勤してオフィスにいる人って、無意識にルーティン化してくる部分があるとおもうんですよ。だったら、覚悟を持って外に出て移動しながら仕事している方がいいですよね。

牛尾大企業の場合は、みんなが一様に私のようなやり方で働くのはないですよね。村田製作所だと、もうすぐ6万人になろうかという人を抱えているので、それぞれの役割があって、既存の事業を支えてお金を稼いでくれる人がいることが勿論重要で、大部分のリソースはそこにかけているわけですよね。

ただ、10年先を考えたときには、私みたいな人間も必要なので、経営の方では社内のイノベーター的存在を何人まで置いていいか、話しているみたいです。トップマネジメントとして考えたときに「0.1%枠ならOK」とかね。

ただ、誰を当てはめるのかはすごく難しい。指名するのではなく、自発的に出てくる人を持ち上げるのが一番いいと思うんですけども。会社からは「後継者をつくれ」と言われますが、「つくれません」と言っています。もし、私みたいな人が次も欲しいなら、私を目指す人間では無理でしょうと思っているので。

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西村僕はそこにすごい鍵があるなと思っていて。人材育成を含めて、一定の枠のなかでいろんなことを試しているものの、会社が潰れない範囲での実験がなされていると思うんですね。たとえば、「全員が出勤しない」ということも、やってみないとわからないことがあるだろうと思っていて。

加藤さんの話でも「実は大変だ」ということが出ていましたが、そこが大事だと思います。やってみれば課題が見える化しますし、何をクリアすれば大丈夫なのかがわかると思うんですね。もう一度、加藤さんに聞いてみたいと思います。今の働き方で大変なところは?

加藤毎日、自分で何をするか意思決定をしていくので、雑談の優先順位が低くなるんですよね。リモートでやり取りするので「slack」というツールのなかにも「雑談スレ」を置いているんですけど、なかなかフランクなコミュニケーションを取り合うのが難しくて。そこが削がれると、自律的に動けなくなっていくので、根本的なところだなという話はいつも出てきます。

西村うーん、僕は雑談がすごく苦手なのですが、女性はどうしてあんなに雑談が好きなのでしょう。和田さんは雑談が上手そうですね。

和田うーん、女性は「ねえねえ」と聞いてほしいのでしょうね。昔はご近所というコミュニティのなかで「こんなこと知ってる?」「昨日、こんなことあったけどどう?」という雑談があったのでしょうし、今はそのコミュニケーションが「Instagram」などに変わってきたのかなと思っています。

西村なるほど。「聞いて聞いて」みたいな感じですね。がんばってみます。さて、最後にひとことずつコメントいただいて終わりにしたいと思います。

牛尾今、オープンイノベーションっていろんなところで取り上げられ過ぎてちょっと訳のわからない話になってきているので、そろそろ私も名刺から外そうかな、と思っているんです(笑)。

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むしろ、働き方、生き方みたいなところで、私は大企業のあり方にものすごい危機感を持っているんです。今すぐ変わればギリギリ間に合うけれど、今を逃すと日本はどん底に落ちるというぐらいの大きな変化点にきていると思っていて。ただ、変わることは前向きにチャンスだと捉えたいので、そうなってくれる人を外に連れ出したいと改めて思えたことが収穫だったと思います。

和田なぜ日本でiPhoneを開発できなかったのか、日本の家電はダイソンに負けるのかという話がありますよね。僕は、これもやはり感じる力じゃないかと思っていて。使用価値やベネフィットは理論上のことではなくて、それぞれの人が使って感じることだと思うんですよね。

日本はここ何十年かの間に、本来人間が持っている感じる力を押し込めてきてしまったのではないかと思います。今、改めて「考える」から「感じる」を取り戻すことと、大企業が持つハイレベルな技術の掛け合わせのなかに、新しくすごいイノベーションが生まれるんじゃないかなと思っているんですけども。そういう意味で、女性が持っている「感じる力」と技術が結び合わさるとすごいものができるかもしれません。ぜひ、牛尾さんには野洲のオープンイノベーションセンターに女性を呼んでいただくと面白いのではないかと思いました。

加藤みなさんのプレゼンの仕方、コミュニケーションのあり方も含めて、自分の女性性を改めて意識できた時間でした。自分らしさ、女性性とリモートワークがどうフィットするのかを考えると面白いだろうという気づきがありました。

西村ありがとうございました。働き方とイノベーションと女性の力というテーマは、絶対につながると思うんですね。働き方は生き方そのものなので、そこが縛られているかどうかで大きく状況が変わると思います。こんなに縛られている国はそうそうないし、逆に言うと相当の伸びしろが残っていると思っていて。

縛られているのに、これだけやっているのだから、縛られていなかったら相当やれるんじゃない?と思います。ずっと縛られているので、いきなり解き放つと爆発する感じなんだろうけれど、どうすればうまく解き放てるかということにすごく興味があります。

企業のなかでは「自分らしく働きましょう」というと利用してもらえないけれど、「イノベーションが起きるのです」と言えば受け入れられるところがあると思うので、それが実現・実証できるといいなと思っています。改めて牛尾さん、和田さん、加藤さん、ありがとうございました。

この記事は、ミラツクが運営するメンバーシップ「ROOM」によって取材・制作されています。http://room.emerging-future.org/

杉本恭子 ライター
京都在住のフリーライター。大阪出身。東京でさまざまなオンラインメディアの編集者を経験したのち、学生時代を過ごした京都でフリーに。現在は、人の言葉をありのままに聴くインタビューに取り組んでいます。Webマガジン「greenz.jp」シニアライター、「雛形」では徳島県・神山の女性たちにフォーカスした「かみやまの娘たち」を連載中。仏教が好き、お坊さんに詳しい。
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